
現在、京都で岩橋英遠作品が出品されている二つの展覧会が開催中です。
一つ目は京都市京セラ美術館の特別展「日本画アヴァンギャルド KYOTO 1948-1970」(5月6日まで)です。ここに、擦って模様を写し取るフロッタージュ手法で描かれた《孚》という軸装品と、木の洞や根が絡まる深い森の中に、蝶や黒いネコ科の動物が複数描かれた摩訶不思議な《森》という作品が出品されています。特に《森》は以前印刷物で見た時から、ぜひ実物を見てみたいと思っていましたから、とても興味深く見入ってしまいました。《森》は1940年代の作品ですが、戦前に「歴程美術協会」などで英遠たちが模索した表現方法の流れが、戦後の前衛日本画の創作運動につながっていく、という展示内容でした。
もう一つは嵐山にある福田美術館の「昭和100年記念 あの頃は」展(4月12日まで)です。ここに英遠作《丹頂》という軸装作品が出品されています。福田美術館の所蔵作品とのことですが、残念ながら私が訪れたのは前期展示期間で、この作品は後期展示だったため見ることはできませんでした。
旅先で地元の美術館をふらりと訪れ、そこで英遠作品に出会えると、なんだかとてもうれしくなりますし、それが自分が知らない作品なら、なおさら興味深く印象に残ります。そんな旅の楽しみ方もまたいいものです


オリーブ 北辰振興会理事
