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 釧路芸術館で「自然へのまなざし 天と地と」展(2024年10月12日~12月8日)が開催され、関連事業のプレミアム・トーク「岩橋英遠ー眼ざしの軌跡」(講師 土岐美由紀 ・北海道立近代美術館 企画推進課調整幹 11月2日)に参加しました。
屯田兵村の子ども時代から、英遠の生涯にわたる芸術活動を振り返るという講演内容で1時間30分をフルに語られていました。興味を感じたのは〈あわい=間〉という言葉です。晩年の英遠は光の変化をモチーフした作品が多い。その光の変化に〈あわい〉という字をあてて、「夕暮れが今消える、まさに光が一瞬しか見えない、その光をすくい取るというような、過ぎ行くものとか消えゆくものの一瞬に自分の心が反応する」と語られ、「日常の安心して当たり前だと思って暮らしている生活とは別次元での自然との対話の仕方を岩橋英遠の絵によってさせてもらう」とも述べていました。
 講演会の後、展覧会を鑑賞し、それぞれの画家たちの自然へのまなざしの軌跡についても考える機会となりました。(散策阿弥)

散策阿弥 北辰振興会理事