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「たきかわチセ・ア・カラ」という会をつくり、いろんな人たちとも協働して国学院道短大の敷地内にチセ(家)を20年前に建てた。地元産のコナラ、ヤチダモを柱材等にし、屋根、壁はスクマ(柳)を渡してクマイ笹で葺いた。「そうか家というものは足元の材料で建てることができるのか!」と感心した。まさに地産地消である。チセができたことを祝ってぺカンペ祭りを起こした。石狩川中流域には沼がおおく、ぺカンペ(ヒシ)が多く生息している。ぺカンペは大事なアイヌの食糧である。それに因んだのである。

できればアイヌ文化を学び、楽しむ場としてチセを活用したいと考えた。それが20年続いた。短大に来る学生たちは本州出身者が多くアイヌ文化に関心のある者も多い。今年、ついに柱等が朽ちてチセは解体となった。神々にチセ解体の合意を得られるよう、藤村久和・北海学園大名誉教授が3日間にわたって丁寧にカムイノミを行った。

日本画家・岩橋英遠は、子ども時代、アイヌの人がガンビ(白樺の皮)を売りに来たことを記憶していた。蝦夷地を探査した松浦武四郎の絵を道庁から依頼されたとき、アイヌ民族の道具を丁寧にスケッチしている。

散策阿弥 北辰振興会理事